仕様詳細などに書いてあるバッテリー駆動時間はアテにならない。
そんなことは常識という人も居られるかも知れませんが、最近はミニノートなどで10時間前後の長時間がウリのものもあります。過去に私もAcerだったと思いますが書いたと思いますが注意しましょうということで。
私はノートPCをバッテリーで動作させようと思わない人間なので気にすることがありませんが、表示を鵜呑みにしてしまわないよう、一旦おさらいというか、そんな話題は書いたこともありませんが、まとめてみましょう。ちなみに私は無停電電源装置や、部屋を移動する時にしかバッテリーは使いません。
どのような表記になっているのか、左の一覧を上から下まで拝見。
クレバリーとサイコム、ツクモはノートのBTOが無いのでスルーしました。
この中で異色なメーカーはHPです。
※17バッテリ駆動時間は動作環境・システム設定により変動します。MobileMark 2007 battery benchmark.によります。使用状況により実際の駆動時間はこの数値より短くなることがあります。
駆動時間が動作環境やシステム設定で変動することは当然ですが、その後に書いてある「MobileMark 2007 battery benchmark」です。バッテリーベンチ用のアプリケーションですが、世界中で販売しているため、海外の基準で統一しているのでしょう。日本の規格だけに合わて測定する手間を惜しむ。全然構わないと思います。自社でベンチマークを取っただけ優秀。
同じ海外でもDELLはいつも通りズバっと斬ってくれます。
バッテリ 6セル リチウムイオンバッテリ(駆動時間: 3時間6分)
フォードエクスプローラーに酸素センサーを配置する方法
注意書きなど何も無い。とりあえず3時間6分。 約3時間と書かず「6分」が気になりますが次が本題です。
「JEITA測定法1.0」とは何なのか?
パソコン工房
バッテリー持続時間
約1時間30分 (JEITA測定法準拠)
マウスコンピュータ
※9 JEITA測定法1.0によるバッテリー平均動作時間です。
ソーテック
※19 JEITAバッテリ動作時間測定法による動作時間です。 実際の動作時間は使用状況により異なります。
フロンティア
※50 JEITA測定法1.0によるバッテリ平均動作時間です。
NECダイレクト
*31:JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.1.0)に準拠し、下記条件により測定しています。
いずれもJEITA(ジェイタ)測定法の1.0に準拠しているようです。
NECダイレクトに詳しい説明が書かれています。
読んでも意味があまり無いので小さくしております。ここから要点を書き出そうと思ったのですがNECルールが一部混入しているようなので、JEITA公式サイトから測定基準1.0を持ってきましょう。
JEITAバッテリ動作時間測定法
JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.1.0)の動作条件
PDFしか無かったので、その中から引用して行きます。
バッテリ動作時間は(測定法a)+ 測定法b))÷2とする。 表示単位は x.y時間と小数第一位までとする。約をつけてもかまわない。
h.p.をcalcuelateする方法
2種類の条件を2で割って平均を出す。 それを小数点1位まで付けて良く、約5.5時間のように書けばOKだそうです。
なるほど、高負荷などを考え異なる条件で平均を出す。
何度もベンチマークを取り平均を出す考え方と似ています。
測定値からカタログに記載するまでのマージンは特に規定しない。
え?
測定法a) 画面輝度を20cdとしMPEG1の動画ファイルをハードディスクから読み出しながら連続 再生する時間を測定する。
動画ファイルをHDDから読みつつ連続再生は良いとしましょう。 しかし、画面輝度20cdは桁を間違えている気がします。
下記に規定と設定例を示す。 1)音量は最低とする(ミュートでも可) 2)液晶輝度 20cd以上 3)動画再生ソフト:規定なし 4)再生画面の表示サイズ 1倍 ( 320×240 ) 5)バッテリが何%まで落ちたら、終了とするか:規定しない。 6)測定結果からカタログに値を載せるまでのマージン:規定しない。 7)バッテリを充電手段:本体にて充電する。 8)バッテリの状態(劣化具合など):規定しない 9)その他のパワマネ状態:規定なし 10)動画ファイルの格納場所:再生中は常にHDDから読む 11)測定中の他の動作アプリケーションやバックグランドアプリケーションの扱い:規定なし
なるほど、これは消費が低くなる方の条件のようです。 しかし、あらゆる項目が「規定無し」になっていますが記載する意味は?
問い合わせ防止でしょうか。
次にきつい方、高負荷と思われる「b」の条件です。
1990年代のトップをリードする産業
規定する項目 1)液晶輝度:設定可能な輝度で最低値。 2)測定結果からカタログに値を載せるまでのマージン:規定しない。 3)測定中の動作アプリやバックグランドアプリ:規定なし。 4)バッテリが何%まで落ちたら、終了とするか:規定なし。 5)HDDの電源OFF制御:規定なし。測定中にHDDがOFFでもかまわない。 6)その他のパワーマネージメント(電源管理):規定なし
これはひどい
てっきり条件bが高負荷だと思っていましたが、どうやら「a」が標準の御様子。
「b」はどう見てもバッテリー駆動時間が長くなるよう薄めています。
バッテリー駆動時間が最も影響するパーツはほとんどの場合CPUですが、ノートPCには液晶が付いているため、こちらも影響します。映像が動き、輝度が高ければ電力も多く消費します。
測定条件が省電力過ぎるJEITA基準
液晶輝度20cd(以上)はどのくらい暗いのか
先に私が「桁が違う」と書いた部分、20cdは200cdの間違いでは無いかと。
しかし各社文句無く、この通りの測定をしています。
20cd(カンデラ)は光度の単位ですが、業務用などのやや暗めの液晶モニタが約150cdです。普通のノートPCならば300cd、東芝などは500cdも有り、一般の家庭用テレビならば1000cdもあったはずです。
条件bでは最低輝度となっていますが、条件aの20cdでもそう変わりません。
規定無しばかりで動作時間測定法とは言えないでしょう。
ページタイトルの下を良く見ると「2001年6月20日開設」とあります。
8年以上前の測定法(しかも規定無しだらけ)を使うのはどうかと思います。
内容を知っている上で「JEITA~準拠」としておけば、初心者などは感心するとでも思うのか。または、何も書かないよりはマシだと思っているのか。技術者達の適当さが見て取れました。
しかしこれはパソコンのメーカーでは無く、ほとんどの場合、ノートのベアボーンを製造しているベンダーが提案している数値です。それを鵜呑みにすることも如何なものかと思いますが、気付くべきでしょう。
そう考えると、HPはより実際に近い数値なのかも知れません。
商売で有る以上は競合するメーカーがあるため、本気で実際の数値を出そうとはしないのかも知れませんが、JEITAの測定は相当低めに取ってあることには違いありません。
mpeg4エンコードしつつDVDを焼きながら地デジ放送中の駆動時間です(CPU負荷100%)
これならば最低駆動時間の目安として良いかも知れません。
今回、上から見て行き思ったのですが、ハイスペックなノートのバッテリー駆動時間は相変わらず短かったです。充電2時間、駆動1.5時間とか、JEITA測定ならば実際には1時間保たず、劣化して行くと重量稼ぎの無用の長物となるでしょう。
高性能ノートにはバッテリー要らないんじゃないかという話でした。
いや、JEITA測定はやめた方が良いということです。
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