2012年4月29日日曜日

機械制御システム専攻 岸本・井上研究室




機械制御システム専攻 岸本・井上研究室

機械制御システム専攻
材料機能システム講座固体システム分野

岸本・井上研究室

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教員紹介:


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研究紹介:

キーワード: 材料力学・破壊力学・界面の力学・非破壊検査・高分子材料・電子デバイスの信頼性評価

当研究室では,固体(金属,セラミックス,高分子)の変形や材料の強度を実験的・解析的な方法で調べています.
特に,ガスタービンに用いられる先進セラミックス材料の高温下での接合界面特性や,電子デバイスで用いられている薄膜
やはんだなどのマイクロ・ナノスケールにおける材料特性評価,また,最近では自動車の衝突時における骨格部材や
ダンパー材での衝撃吸収特性評価などの研究を行っております.
また,固体内部の欠陥やき裂などを超音波を用いて非破壊的に検出する技術や応力状態を非接触で高精度に測定する
技術なども開発しております.

学生のテーマは,研究室所属時に大枠を与えられ,実験を行う場合は試験機の設計・製作,解析を場合は複雑な現象の
モデル化やプログラムの作 成などを教員と相談しながら進めて行きます.いろいろな材料を壊してみたい学生や自分のオリ
ジナル試験機を作ってみたい学生,コンピュータの得意な学生,サッカーの好きな学生等々,是非,当研究室で一緒に勉
強しましょう.


フリー快削鋼の破壊

最近の研究テーマ:

1.ガスタービン等における遮熱コーティング材の界面損傷に関する研究

発電用ガスタービンは,圧縮した空気を燃焼器で天然ガスとともに燃焼させることで,一気に膨張させ,その勢いで発電機のタービン翼を回転させ電気を起こすという仕組みになっています.発電効率をさらに向上させるために,タービン入口温度の上昇が目指され,現在,入り口温度は1500℃に達しています.このような高温環境下で燃焼器内面やタービン翼を守るために,それらの表面にはセラミックスによる遮熱コーティングが施されています.TBCは高温ガス環境下で用いられるため,エロージョンや界面の熱酸化反応,セラミックスの焼結,熱的・機械的荷重の負荷といった現象を生じ,その結果,セラミックスの割れや材質変化,超合金基材やボンドコーティング層とのはく離といった損傷を生じます.これら� ��損傷の中で特に深刻なのがTBCのはく離であり,本研究ではTBCと超合金基材との界面はく離強度を,実験装置を製作し,界面破壊試験を行なって調べております. 

           

            発電用ガスタービンの構造                  界面破壊実験装置
 


ポリマー骨折腹筋応力
2.熱弾性応力測定法の高精度化

機械や構造物の強度を評価し、安全性や信頼性を確保するために応力解析が必要不可欠です.効率的に二次元な応力測定ができる応力測定法として,赤外線サーモグラフィを用いた熱弾性応力測定法があります.当研究室では,赤外線サーモグラフィにより測定される温度変化・位相差のデータを用いて,部材に働いている主応力の計算や各応力成分への分離,さらに熱伝導の影響などを考慮して,熱弾性応力測定法の高精度化について研究をしております.

                

     円孔周りの応力集中部における温度変化           温度測定に及ぼす熱伝導の影響

3.線集束型超音波探触子による非破壊検査
   
機械・構造物の内部にあるき裂や欠陥を,部材を壊さずに発見する方法を非破壊検査といいます.そして,部材内部にあるき裂や欠陥の形状・寸法を高精度に検出することにより,その部材の余寿命を評価することができます.本研究室では,新しく開発した線集束型超音波探触子を用いて,その探触子の性能評価や改良,さらにそれを応用した検査技術の高精度化について研究を行っています.
                        

     線収束型超音波探触子の超音波伝播シミュレーション    TOFD法による材料内部の欠陥検出


電気計器のインストール方法
4.高分子材料のメゾメカニクスに関する研究
   

高分子材料は成形性が良い,比強度が高いと言った利点を持っています.このような利点から,近年その利用領域が拡大しています.そのため,高分子材料に要求される力学的特性もより厳しいものになっています.高分子材料では,分子設計により,分子鎖の力学的特性を向上させても,必ずしも巨視的な力学的特性が向上するとは限りません.これは,高分子材料の力学的特性がミクロな分子鎖の力学的特性だけではなく,様々な長さの分子鎖が作るメゾ領域の構造に大きく依存しているからです.メゾとは中間という意味であり,本研究ではミクロとマクロ中間という意味で用いています.例えば,分子鎖の絡まり,配向,分子鎖の凝縮,ラメラ構造などが挙げられます.メゾ領域の構造を制御することで,力学的特性の向上が望� ��ます.しかし,未だにマクロな力学的特性とメゾ領域の構造との関係は完全には明らかにされてはいません.そこで本研究では,メゾ領域の構造とマクロな力学的特性との関係を明らかにすることを目的とし,メゾ領域の構造を考慮したネットワークモデルを作成し,このモデルに対して力学的な解析を行っています.下の図に最近の研究成果である引張り試験を想定した力学的な解析結果及び,応力-伸張比線図(応力-ひずみ線図に相当)を示します.


       

ネットワークモデルの変形図                    応力-伸長比線図


5.経年変化を受けたはんだ接合部の疲労強度評価
   

半導体産業の発展に伴い,IC実装が小型化・高集積化する傾向にあります.このため,電子機器におけるはんだ接合部の面積は小さくなります.はんだ接合部の信頼性に関する問題点には
・はんだ接合部における熱疲労破壊
・鉛フリーはんだの使用
・はんだ接合部における金属間化合物形成に伴う界面強度の低下
・はんだ自体の時効による相分離
などがあり,経年変化を受けた鉛フリーはんだ接合部の熱疲労強度を評価することが必要となっています.そこで,本研究では機械的疲労試験による加速試験を行い,熱時効させた鉛フリーはんだ接合部の熱疲労強度を評価しています.

      

         疲労試験装置                疲労試験後のはんだ接合部の電子顕微鏡写真


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